家族とは趣味があまり合わない

それぞれ、好きなものは少しずつ違う。

同じ時間に同じ場所にいても、

見ているものや感じていることは、きっと少しずつ違うんだと思う。

私は、ワインやコーヒーを楽しむ時間が好きだけど、

それを一緒に味わうことは、あまりない。

少し前までは、

「一緒に楽しめたらいいのにな」と思うこともあった。

でも今は、そこまで気にしていない。

ワインを開けると、

「どこの?」とか「どんな味?」と聞かれることがある。

飲むわけではないのに、

ちゃんと気にしてくれている感じがして、

なんとなくうれしくなる。

だから、「軽めで飲みやすいよ」とか、

「ほんのり甘さがあるかも」とか、

自分なりの言葉で伝えてみる。

うまく表現できているかは分からないけれど、

そのやりとりが、ちょっとした会話になっている。

食事の時間になると、自然とみんなが集まる。

同じテーブルを囲んで、

同じものを食べて、

「これ、おいしいね」と言い合う。

作る人、片付ける人、

なんとなく役割も分かれていて、

気づいた人が手を動かしている。

特別なことはないけれど、

こういう時間は、やっぱりいいなと思う。

全部を一緒に楽しめなくてもいいし、

同じものを好きでなくてもいい。

それでも、こうして同じ時間を過ごしていること。

それだけで、十分なのかもしれない。

ふと、

「和して同ぜず」という言葉を思い出す。

同じでなくてもいい。

それぞれのままで、心地よくいられること。

今の私には、

そんな距離感がちょうどいいのだと思う。

だからワインは、ひとりでゆっくり楽しむ。

その時間も、

いつもの暮らしの中のひとつとして、

大切にしていきたい。

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